民族教育フォーラム2018

 《シンポジウム》

民族学級が拓く可能性

―すべての子どもが大切にされるためにー 

 民族教育ネットワークは2018915日(土)午後1時から「民族教育フォーラム2018 《シンポジウム》民族学級が拓く可能性―すべての子どもが大切にされるためにー」を大阪市生野区の生野区民センターで開催し、民族学級講師や保護者など120人が参加されました。

 今年は、1948年に起こった四・二四阪神教育闘争70周年であり、同時に大阪の公立小学校で民族学級が設立されてから70年を迎える年です。また四・二四阪神教育闘争50周年を契機に結成された民族教育ネットワークにとっては結成20周年目にあたります。

 70年前に比べ、社会は大きく変化しました。大阪府内には、162か国・地域からなる21万人(府人口の約25%)を超える在日外国人が暮らしており(2016年)、小・中・高校には、外国籍の児童生徒が7,558人在籍しています(2017年)。

 また大阪府・市の公立小・中学校では、185の学校に民族学級・民族クラブ・朝文研(大阪市では2017年より「国際クラブ」に名称統一)などの取り組みが広がっています。しかし民族学級をめぐって様々な課題も浮上しています。

 こうしたなかで、今年度のフォーラムでは、公立学校に民族学級が存在することによって広がる新たな可能性について討論を行いました。 

■教材・資料展示説明コーナー 

 会場には教材・資料展示説明コーナーが設けられました。各コーナーには、民族教育ネットワークが20年間に行ってきた多彩なイベントの資料や出版物、および民族学級・多文化学級取り組みの教材・資料、子どもたちが作った作品や教材などが多数展示され、参加者たちは興味深そうに見入っていました。

■故・朴鐘鳴先生を追悼

 集会に先立ち、民族教育ネットワークの初代共同代表の一人であり、今年4月に逝去された歴史学者の朴鐘鳴(パク・チョンミョン)先生を偲んで黙祷を捧げました。 

■第1部 基調講演

  講師 金光敏(キム・クァンミン)さん

 初めに民族教育ネットワークの安野勝美(あんの・かつみ)共同代表が開会挨拶を行った後、(特活)コリアNGOセンター事務局長で教育コーディネーターの金光敏さんが「多文化共生教育における民族学級の役割」と題する講演をされました。

 金さんは自分自身が民族学級を通じて民族的アイデンティティーに目覚めた体験に触れた後、世界の国籍法、国際結婚、在日コリアンの民族教育の役割などについて語りながら、今後民族学級が進むべき方向性について重要な問題提起をされました。

■第2部 パネルディスカッション

 第2部ではパネルディスカッションに入り、教員、民族学級卒業生、小学校保護者の3名のパネリスト、およびコメンテーターの金光敏さんが民族学級における活動報告や問題提起をされました。コーディネーターは民族教育ネットワーク事務局員の山本晃輔さんがつとめました。

■第3部 グループディスカッション 

 第3部は参加者全員がグループに分かれてグループディスカッションが行われました。

 参加者たちは基調講演とパネルディスカッションを受けて、それぞれの現場で体験したことを報告しながら、今後、民族学級に提起されている課題にどのように取り組んでいくかについて意見を交換しました。


★パネリスト

武藤直樹(むとうなおき)さん:大阪市立清水小学校教員

高 愛 理(こう えり)さん:民族学級卒業生(長橋小学校・鶴見橋中学校)

劉 恭 佳(リュウ コンガ)さん:大阪市立桑津小学校保護者

★コメンテーター

金 光 敏(キム・クァンミン)さん

★コーディネーター

山本晃輔(やまもとこうすけ)さん:民族教育ネットワーク事務局員  

 
   
開会のあいさつ 安野共同代表  基調講演 金光敏さん 
 
パネルディスカッションの様子
   
会場の様子 武藤直樹さん
   
高愛理さん   劉恭佳さん
   
山本晃輔さん  グループディスカッションの様子 
   
多文化展示1 多文化展示2 
        



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